患者インタビュー(Cさん)患者インタビュー(Cさん)

迷いながらも積極的に医療従事者とコミュニケーション迷いながらも積極的に医療従事者とコミュニケーション

リウマチと診断されたきっかけリウマチと診断されたきっかけ

繰り返す膝の痛み繰り返す膝の痛み

35年前に左膝の半月板損傷の手術を受けた影響から、太ったりすると膝が痛むことがありました。15年前頃からは膝に水が溜まるようになり、膝変形関節症と診断されました。一時はヒアルロン酸を入れて落ち着いていましたが、痛みが頻回に起こるようになり、炎症値が高くなってきたので、医師からリウマチの検査をしようと提案されましたが、この時はリウマチの検査値がマイナスでしたので、それ以上の治療をすることはありませんでした。
リウマチの治療を開始したのは10年前です。その頃、右膝にも痛みが出てきたため滑膜除去術を行ったのですが、受診していた整形外科の医師から「リウマチだろう」と診断を受け、MTXを服用するようになりました。その後、症状が改善しないため、生物学的製剤も積極的に取り入れていこうということで、エンブレルを使い始めました。以来、生物学的製剤を変更しながら治療を続けており、現在はMTXと生物学的製剤を併用しています。

リウマチと信じたくなかったリウマチと信じたくなかった

今でも気になるのは膝の症状だけで、手のこわばりや他の関節にはそれほど自覚症状を感じていないため、本当にリウマチなのかなと思うことがあります。リウマチは手や首が曲がってしまったり、コントロールがうまくできないというネガティブなイメージがあるため、そういう病気になったのだと受け入れがたかったのでしょう。製薬メーカーが作っているリウマチのパンフレットに「手が不自由で携帯が持てない。料理もできない。家事も仕事も続けられない。でもこの薬を使ったら全てできるようになった」という患者さんの声が載っているのを読んでも、私はそこまで悪くない、リウマチの治療を受けるのはそういう症状の人なのだと思っていました。
私は大学病院で職員をしているため、通院も楽ですし、勤務先の病院内で治療を受けています。だから担当医師に「他の人にはここまでしないけど、あなたには少し積極的治療をしますね」と言われたことで、「私は職員だからそこまでしてもらえるんだ。他の病院では治療を受けるほどの病気ではないんだ」と思いたかったのかもしれません。

リウマチによる日常生活での支障リウマチによる日常生活での支障

手首と親指の付け根の痛み、曲がらない膝手首と親指の付け根の痛み、曲がらない膝

平日はフルタイムで働いていますが、休日は主に家事と趣味のピアノのレッスンをしています。最近、朝起きた時やピアノを弾いている時に手指の動きが鈍くなったような気がして、手首、親指のつけ根あたりが、少しだけ痛いかなと感じることはあります。でも、やはり一番辛いと感じるのは膝の症状です。立っていることもできないし、膝に水がたまるので物理的にも曲げることができません。正座をする生活ではないし、トイレも洋式なので、それほど不自由はないように思えるのですが、しゃがんで何か物を取ることができないし、走ることもできません。特に靴下を履くのが大変で、腰痛にもつながります。膝が痛んだり曲げられないのは、本当にやっかいなことです。

リウマチとの付き合い方リウマチとの付き合い方

生物学的製剤が本当に必要なのかという迷い生物学的製剤が本当に必要なのかという迷い

生物学的製剤の使用については、本当に必要なのだろうかという迷いがありました。リウマチの治療を開始してまもなく、医師から「生物学的製剤を使うかもしれないから考えておいてください」と言われたものの、何を基準に考えればいいのかわかりませんでした。膝の症状は水を抜いたり、ステロイドを使えば治っていましたし、生物学的製剤はお金もかかるから、それほど使いたいとは思いませんでした。その気持ちを医師に伝えると「ぼやが大火事になる前に抑えておいた方が良い」という言い方をされ、半ば勢いに押された感があります。後になって「ステロイドは骨破壊を進行させるし、このままでは人工関節になってしまうかもしれない」ということを言われ、「そういうリスクがあるのならもう少し早く教えて欲しかったのに」と思いました。

自分の状態を正しく伝えるために記録を始めた自分の状態を正しく伝えるために記録を始めた

長い間、整形外科で治療を続けていましたが、今年の春にリウマチ膠原病内科に転科しました。整形外科の医師は、膝が腫れたらすぐ水を抜いてくれますが、外科的、処置的な要素が強くてうまくコミュニケーションが取れているとは感じられなかったからです。生物学的製剤についても「エンブレルが効かなかったら、どんどん薬を変えますよ」と事務的な説明なので、少し不信感があったことも一因です。転科といっても同じ病院内でのことですから、治療経緯の申し送りは簡単に済むだろうと考えていました。でも、ちょうど病院のシステムが電子カルテに移行中だったため、新しい医師の手元にカルテがなく、私が口頭で説明しなくてはいけなくなり本当に困りました。整形外科での治療期間は長いし、薬も検査値も何も記録していないし、全く詳細を伝えることができませんでした。その時になってようやく、「このままじゃダメだ。きちんと治療するなら自分で自分の症状を把握していなくてはいけない」と思うようになり、日々の状態を記録するようになりました。

日頃の変化の記録の重要性に気が付いた日頃の変化の記録の重要性に気が付いた

日々の記録はメモ帳に書き込んでいます。たまたま病院で見かけた小児用の喘息日誌を参考にして、自分で作りました。膝が腫れ始めた日、その日に何をしていたのか、膝の痛みや腫れの状態、熱感の度合いなども書いて、あとから確認したり、それを見ながら診察時に医師に伝えるようにしています。記録をつけるまで、日々の生活や全身状態のことなどあまり気にしていなかったのですが、「疲れやすいな」とか、「熱感があってだるいな」と感じたときは、結果的にリウマチの炎症性が強く、症状が悪化していることに気が付きました。体調が悪いと食事がとれない。栄養状態が悪いから足にむくみが出て、膝に水が溜まってしまう。膝に水が溜まると痛くて腰痛になる。腰痛になるとよく眠れない。眠れないと疲れやすくなって体調が悪くなる。そしてまた食事が取れない。そんな悪循環を繰り返していました。日頃の食欲や体重、睡眠時間などを記録して管理することは、自分の症状を把握し、治療する上でとても重要なことだったのです。
残念ながら、今の医療ではリウマチは完治できる病気ではないということですが、自分の症状を把握して納得のいく治療を行えば、コントロールできるし、寛解という状態を長く保つこともできるそうです。
だから私は、まず膝の炎症を抑え、症状を落ち着かせることを治療の目標としています。そのためにも、医師としっかり相談しながら治療すること、日常生活の記録をとって管理を続けることがとても大切なのだと感じています。

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